足がつるのはミネラル不足? | 妊娠中に夜つりやすい理由

夜中に、ふくらはぎが
ぎゅーっと固まって、
痛くて目が覚める。

妊娠中の方から、
とてもよく聞くお悩みです。

足がつると、
「ミネラルが足りないのかな」
「水分が足りないのかな」
と思う方が多いですよね。

でも、最近の研究では、
それだけではないことが分かってきました。

今日は、
足がつるしくみと、
妊娠中に夜つりやすい理由、
そして寝方の工夫をお伝えしますね。

足がつるのは、ミネラル不足?

マラソンやトライアスロンの選手で、
足がつった人と、つらなかった人を
比べた研究があります。

その結果、
血液の中のミネラルや、
水分の足りなさには、
差がありませんでした。

差が出たのは、

・ふだんよりがんばったペースで走った
・前にもつったことがある

ということでした。

つまり、
いちばん関係していたのは
「筋肉の疲れ」だったのです。

カギは「アクセル」と「ブレーキ」

筋肉には、
2つのセンサーがついています。

・伸びを感じるセンサー
→ 筋肉に「縮め」と伝える(アクセル)

・引っぱる力を感じるセンサー
→ 筋肉に「ゆるめ」と伝える(ブレーキ)

ふだんは、この2つが
うまくバランスをとっています。

ところが、筋肉が疲れると、
アクセルが強くなり、
ブレーキが弱くなる

と考えられています。

すると、
筋肉に「縮め」の信号が出続けて、
自分では止められなくなる。

これが「つる」状態です。

(※しくみには別の説もあり、
研究者の間でも、まだ話し合いが続いています)

じゃあ、ミネラルや水分は関係ないの?

関係がないわけではありません。

ミネラルは、
神経の興奮しやすさを整える役目をしています。

たとえば、
たくさん汗をかいたあとに
水だけをたくさん飲むと、
体の中の塩分が薄まって、
つりやすくなったという研究があります。

同じ研究で、
塩分も入った経口補水液を飲んだときは、
つりにくくなっていました。

なので、
汗をたくさんかいた日は、
水だけでなく塩分も一緒に、
を意識してみてくださいね。

イメージとしては、

ミネラルは「土台」。
引き金になるのは「疲れ」と「神経」。

という感じです。

妊娠中につりやすいのはなぜ?

妊娠中は、
妊婦さんの3〜5割が
足のつりを経験するといわれています。

週数が進むほど、
また足のむくみがある方ほど
つりやすいという研究もあります。
(むくみがある方は、約2倍)

ここからは、
理学療法士としての臨床の見方も入りますが、

お腹が大きくなると、
体を支えるふくらはぎに負担がかかりやすくなります。

日中によく歩いた日や、
むくみが強い日につりやすい、
という方も多い印象です。

アクセルが入りやすい状態に
なっているのかもしれませんね。

夜、寝ているときに多いのはなぜ?

寝ているとき、
足首はつま先が伸びた形に
なりやすいです。

すると、ふくらはぎは
縮んだ形のままになります。

縮んだ形では、
「引っぱる力」がかかりにくいので、
ブレーキ役のセンサーが働きにくくなります。

そこに、寝返りや伸びで
ふっと力が入ると…
「きた…!」となるわけです。

とくに妊娠中は、
横向きで、ひざを曲げて
寝る方が多いですよね。

この姿勢に、つま先が伸びた形が重なると、
ふくらはぎはいちばん縮んだ形になります。

寝る前に、ふくらはぎを伸ばす

壁に手をついて、
片足を後ろに引き、
かかとを床につけたまま
ふくらはぎを伸ばします。

左右30秒ずつくらいで十分です。

寝る前のストレッチで
足のつりが減ったという研究もあります。
(高齢の方を対象にした研究で、
妊婦さんでの研究はまだありません)

つったときは

① ゆっくり伸ばす

ひざを伸ばして、
つま先をゆっくり自分のほうへ。

引っぱる力がかかると、
ブレーキ役のセンサーが働きます。

② すねに力を入れて、つま先を上げる

すねの筋肉が縮むと、
反対側のふくらはぎには
「ゆるめ」の信号が届きます。

強く引っぱったり、
もんだりしなくて大丈夫です。

サプリは効くの?

マグネシウムやカルシウムなどを
妊婦さんで調べた研究をまとめた報告では、
はっきりした効果は確認されていません。

研究の数が少ないので、
「効かない」と決まったわけではありませんが、
始めたいときは
健診のときに相談してみてくださいね。

こんなときは早めに受診を

・片方の足だけが腫れている
・ふくらはぎが赤い、熱をもっている
・つっていないのに、痛みがずっと続く

妊娠中は、足の血管に
血のかたまりができやすい時期でもあります。

こんなときは様子を見ずに、
かかりつけの産院へ連絡してくださいね。

最後に

足がつるのは、
ミネラル不足だけではなく、
筋肉の疲れと、神経のバランスが
大きく関わっています。

だからこそ、
ふくらはぎを休ませること、
寝るときの足の形、
寝る前のストレッチ
で、
できることがあります。

cocotiでは、

  • ふくらはぎに負担がかかりやすい、立ち方や歩き方のくせを一緒に見ること
  • 寝るときの姿勢やクッションの使い方を、一緒に考えること
  • おうちでできるストレッチを、無理のない形でお伝えすること

を大切にしています。

夜ぐっすり眠れることは、
妊娠中の体にとってとても大切です。

気になる方は、気軽にご相談くださいね。

この記事が、お役に立ちますように♡

参考にした論文

  • Schwellnus MP, Drew N, Collins M. Increased running speed and previous cramps rather than dehydration or serum sodium changes predict exercise-associated muscle cramping: a prospective cohort study in 210 Ironman triathletes. British Journal of Sports Medicine. 2011;45(8):650-656.
  • Minetto MA, Holobar A, Botter A, Farina D. Origin and development of muscle cramps. Exercise and Sport Sciences Reviews. 2013;41(1):3-10. doi:10.1097/JES.0b013e3182724817
  • Lau WY, Kato H, Nosaka K. Water intake after dehydration makes muscles more susceptible to cramp but electrolytes reverse that effect. BMJ Open Sport & Exercise Medicine. 2019;5(1):e000478. doi:10.1136/bmjsem-2018-000478
  • Allen RE, Kirby KA. Nocturnal leg cramps. American Family Physician. 2012;86(4):350-355.
  • Abandeh A, Sindiani A, Nazzal MS, et al. Prevalence and Predictors of Leg Cramps in the Third Trimester of Pregnancy: A Cross-Sectional Study. International Journal of Women’s Health. 2024;16:1377-1387.
  • Luo L, Zhou K, Zhang J, Xu L, Yin W. Interventions for leg cramps in pregnancy. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020;12:CD010655. doi:10.1002/14651858.CD010655.pub3
  • Hallegraeff JM, van der Schans CP, de Ruiter R, de Greef MH. Stretching before sleep reduces the frequency and severity of nocturnal leg cramps in older adults: a randomised trial. Journal of Physiotherapy. 2012;58(1):17-22. doi:10.1016/S1836-9553(12)70068-1

※この記事は、一般的な情報をお伝えするものです。
気になる症状があるときは、
かかりつけの先生にご相談くださいね。

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