妊娠中の運動|どのくらい?何をする?やめどきは?

「妊娠中って、動いていいんですか?」

これは、cocotiでいちばん多いご質問かもしれません。

上の世代からは「おなかが張るから安静に」と言われ、
ネットを見れば「妊婦こそ動くべき」と書いてある。

どちらを信じたらいいのか、分からなくなりますよね。

今日は、海外のガイドラインが
どう言っているのかを見てみます。

まず、どのくらい動くといいのでしょう

カナダとアメリカ、それぞれのガイドラインが
同じ数字を挙げています。

中くらいの強さの運動を、週に合計150分以上

「中くらいの強さ」というのは、
話はできるけれど、歌うのはちょっとむずかしい
くらいの感じです。

150分と聞くと多く感じますが、

1回30分 × 週5回、でも
1回20分 × 週7回、でも大丈夫。

カナダのガイドラインでは
週3日以上に分けて
できれば毎日体を動かすことがすすめられています。

(※妊娠経過が順調で、医学的な問題がない方に向けた目安です)

何をするといいの?

ガイドラインでは、

有酸素運動(歩く・泳ぐなど)と、筋力トレーニングを組み合わせる

ことがすすめられています。

ヨガや、軽いストレッチを加えることも
役に立つ場合がある、とされています。

そしてもう一つ。

骨盤底筋のトレーニングは、毎日

これは、尿もれのリスクを下げるためです。

妊娠中から始めておくことで、
産後の回復もスムーズになりやすいと感じています。

動くことで、何が期待できるのでしょう

カナダのガイドラインには、
こんな数字が示されています。

・うつのリスクが、25%以上低下
・妊娠糖尿病、妊娠高血圧、妊娠高血圧腎症のリスクが、約40%低下

さらに、

・帝王切開になる割合が下がる
・吸引・鉗子などの器械分娩が減る
・尿もれが減る
・体重が増えすぎるのを防ぐ
・腰と骨盤まわりの痛みが軽くなる

といったことも挙げられています。

別の研究のまとめでは、
妊娠糖尿病が39%、妊娠高血圧が47%減ったという報告もあります。

(※たくさんの方のデータをまとめた「起こりやすさ」の数字です。
お一人お一人に、必ずこの通りになるという意味ではありません)

気をつけたいこと

いくつか、実際的な注意点があります。

① 仰向けの姿勢

仰向けで運動をしていて、
ふらつく・気持ち悪い・具合が悪いと感じる方は、
姿勢を変えてくださいね。

横向きや、座った姿勢でもできる運動はたくさんあります。

② 転ぶ可能性のあるもの

おなかが大きくなると、
体のバランスをとる感覚が変わってきます。

ぶつかる可能性のあるスポーツや、
転びやすい状況は避けたほうが安心です。

③ 暑さと水分

暑い環境での長時間の運動は避けて、
こまめに水分をとってくださいね。

④ 「がんばりすぎない」

息が上がりきってしまうところまでは必要ありません。

話ができる強さを目安にしてください。

運動を始める前に、確認したほうがいい状態

カナダのガイドラインでは、
次のような場合、強い運動は行わないこととされています。

・破水している
・早産の兆候がある
・原因のはっきりしない出血が続いている
・妊娠28週以降の前置胎盤
・妊娠高血圧腎症
・子宮頸管無力症
・胎児発育不全
・三胎以上の多胎妊娠
・コントロールされていない1型糖尿病、高血圧、甲状腺の病気
・その他、重い心臓・呼吸器などの病気

また、次の場合は
先に主治医の先生に相談してからとされています。

・くり返す流産の経験がある
・妊娠高血圧
・早産の経験がある
・軽度〜中等度の心臓・呼吸器の病気
・症状のある貧血
・栄養状態の問題、摂食障害
・28週以降の双子の妊娠
・その他、気になる病気があるとき

不安な項目があった方は、
自己判断で始めずに、
まず健診のときに聞いてみてくださいね。

こんなサインが出たら、いったん中止を

運動中に、こうしたことがあれば
すぐにやめて、医療機関にご相談ください。

・性器からの出血
・破水したような感じ
・運動を始める前からの息切れ
・休んでも治らないめまい、頭痛
・胸の痛み
・ふくらはぎの痛みや腫れ
・力が入らない感じ
・胎動が減ったと感じる
・規則的なおなかの張り、陣痛のような痛み

「できる範囲で」が、いちばん続きます

ここまで数字を並べてきましたが、

いちばん大事なのは
続けられる形にすることだと思っています。

つわりがつらい時期。

おなかが大きくて動きにくい時期。

上の子のお世話で、時間がとれない時期。

そういうときは、量を減らして大丈夫です。

150分は「目指す先」であって、
「達成しないと意味がない基準」ではありません。

今日5分歩けたら、それでいいんです。

最後に

妊娠中に運動をする目的は、
体型を戻すことでも、たくさん動くことでもありません。

出産に向けて体を準備しておくこと

そして

産後、回復しやすい体にしておくこと

このためだと考えています。

cocotiでは、

  • 今のお体の状態にあわせて、運動の量と内容を一緒に決めること
  • 妊娠の時期による体の変化を、ご自身が分かるようにお伝えすること
  • ご自身でできる形にして、お持ち帰りいただくこと

を大切にしています。

個別のconditioningも、グループのexerciseも行っています。

一緒に取り組みませんか〜?

この記事が、お役に立ちますように♡

参考にしたガイドライン・研究

  • 2019 Canadian Guideline for Physical Activity throughout Pregnancy(CSEP/カナダ運動生理学会)
  • ACOG Committee Opinion No. 804: Physical Activity and Exercise During Pregnancy and the Postpartum Period. 2020(2025年に患者向け資料が更新)
  • Martínez-Vizcaíno V, et al. Exercise during pregnancy for preventing gestational diabetes mellitus and hypertensive disorders: an umbrella review and updated meta-analysis. BJOG. 2023.

※この記事は、一般的な情報をお伝えするものです。
妊娠経過は方によって違いますので、運動を始める前に
かかりつけの先生にご確認くださいね。

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