くしゃみをしたとき。
上の子を抱き上げたとき。
急いで小走りしたとき。
「あ」と思う瞬間があるけれど、
なかなか人には言いにくい。
産後の尿もれは、そんなお悩みです。
今日は、研究で分かっていることを
できるだけ具体的にお伝えしますね。
どのくらいの方に起こるのでしょう
複数の研究をまとめた解析では、
産後の尿もれは 約26%(およそ4人に1人)と報告されています。
もう少し新しい2025年のまとめでは、
研究によって7〜57%と幅があり、真ん中あたりが約29%。
いちばん多いのは、
おなかに力が入ったときにもれる 腹圧性尿失禁 のタイプでした。
数字に幅があるのは、
調べる時期(産後3か月なのか、1年なのか)や
「もれた」の聞き方が研究ごとに違うためです。
いずれにしても、
少なくとも4人に1人ほど。
けっしてめずらしいことではないんですね。
起こりやすい背景として挙げられているもの
同じ研究で、関係する要因として
こんな項目が挙げられていました。
・経腟分娩
・35歳以上での出産
・2回目以降のお産
・赤ちゃんの体重が4kgを超えていた
・会陰の裂傷があった
・吸引・鉗子などの器械分娩
・分娩の後半(第2期)が長かった
・妊娠前のBMIが高め
ご覧のとおり、
ご自身の努力ではどうにもならないものがほとんどです。
「私のケアが足りなかったのかな」と
ご自身を責める必要は、まったくありません。
(※これは「大勢の方のデータで関連が見られた」という話で、
当てはまる=必ず起こる、ではありません)
骨盤底筋トレーニングで、何が変わるのか
ここがいちばん知りたいところですよね。
2026年に発表された研究のまとめ
(11の比較試験・2,778人分)では、
骨盤底筋トレーニングを行ったグループで
産後の尿もれが起こる割合が有意に減ったと報告されています。
もう少しくわしく見ると、
- 産後3か月の時点:効果あり
- 産後6か月の時点:効果あり
- 出産直後:はっきりした差はなし
つまり、すぐに変わるものではなく、
数か月かけて変わっていくものだということです。
cocotiでも「3か月は続けてみてくださいね」と
お伝えしていますが、
研究の結果とも合っているんですね。
いつから始めるといいの?
同じ研究では、
妊娠中期〜後期に始めた場合と、産後に始めた場合とで
はっきりした差はなかった、とされていました。
期間についても、3か月以下と3か月より長い場合で
差ははっきりしなかったそうです。
なので、
「妊娠中に始められなかったから、もう遅い」
ということはありません。
気づいたときから始めていただけたらと思います。
いちばんの分かれ道は「続けられるかどうか」
2025年にまとめられた別の研究では、
効果がはっきり出た研究と、出なかった研究の違いとして
続けられたかどうかが大きい、と指摘されています。
実際、スマートフォンのリマインダーを使ったグループでは
続けられた方の割合が 約54%。
使わなかったグループは 約21% でした。
倍以上の差です。
やり方が正しいかどうか以前に、
「思い出せるかどうか」で、これだけ変わってしまう。
歯みがきのあと、授乳のあと、など
すでにある習慣にくっつけてしまうのが、いちばん続きます。
やっているのに、変わらない感じがするとき
こんな場合があります。
・そもそも、動かしている場所が違っている
・骨盤底筋が「弱い」のではなく「硬くて働きにくい」
・おなかや股関節まわりの状態が影響している
・力の入れ方が強すぎて、かえって力が抜けなくなっている
こういうときは、
回数を増やしても変わりにくいことが多いです。
海外のガイドライン(2025年・カナダ)でも、
骨盤底筋トレーニングは毎日行うことがすすめられていて、
そのうえで 正しいやり方を専門家から教わること が
あわせて挙げられています。
こんなときは、医療機関へ
・急に強い尿意がきて、間に合わない
・排尿のときに痛みがある、血が混じる
・下腹部の重い感じ、会陰部に何か触れる感じがある
・産後1年たっても、まったく変わらない
こうしたときは、婦人科や泌尿器科の先生にご相談ください。
最後に
尿もれは、話しにくいぶん
「私だけかもしれない」と思いやすいお悩みです。
でも、実際には4人に1人ほどの方が経験されていて、
続けることで変わっていく方がたくさんいらっしゃいます。
cocotiでは、
- 今の骨盤底の状態をお伝えすること
- ご自身に合った動かし方を見つけること
- 続けられる形にして、お持ち帰りいただくこと
を大切にしています。
個別のconditioningも、グループのexerciseも行っていますので、
一緒に取り組みませんか〜?
この記事が、お役に立ちますように♡
参考にした研究
- How important is the timing and duration of pelvic floor muscle training for preventing postpartum urinary incontinence? A meta-analysis. International Urology and Nephrology. 2026.
- Effectiveness of Pelvic Floor Muscle Training in Preventing Urinary Incontinence After Vaginal Delivery: A Systematic Review. Cureus. 2025.
- Gallego-Gómez, et al. Effects of Training Interventions to Treat Postpartum Urinary Incontinence: A Meta-Analysis. BJOG. 2026.
- Prevalence and factors of urinary incontinence among postpartum: systematic review and meta-analysis. BMC Pregnancy and Childbirth. 2023.
- Koomson, et al. Prevalence of urinary incontinence in postpartum women and physiotherapy interventions applied: An integrative review. International Journal of Gynecology & Obstetrics. 2025.
- 2025 Canadian Guideline for Physical Activity, Sedentary Behaviour and Sleep throughout the First Year Postpartum(CSEP)
※この記事は、一般的な情報をお伝えするものです。
症状の感じ方は方によって違いますので、気になるときは
かかりつけの医療機関にご相談ください。
